国産の石は品質が良く美しいブログ:17-12-04
ボクは普通とは少し違う育ち方をした。
ボクは幼い頃に養子縁組された。
養父母、養祖父母、みんながボクを気にかけて、
ボクを思い、大事にしてくれた。
ボクは幸せだった。
でも…
自分は養女なのだと知った、
その日の記憶は、
今でもおぼろげに残っている。
「そうなんだ、ふぅん…」
まだ、ボクは小学校に上がる前だったように思う。
幼いながらに動揺し、
その心の揺れを感じ取られまいと、
気丈に振舞った記憶がある。
事実を知った日から、
周囲に遠慮や義務感を覚え、
みんなを悲しませてはいけない…
ボクはそう思って生きてきた。
育ての両親にも、産みの両親にも気を使う自分にうんざりし、
どうして自分はこんな境遇なのかと憤ったが、
そんな気持ちは押し隠してきた。
そして今、
子育てに追われる日々、
時折、幼少の頃のボクが顔を出す。
いまだに過去にとらわれている自分を情けなく思うが、
本当はまだ、過ぎ去ってはいないのだ。
ボクの思いは現在に続いていて、
永遠に満たされることはないのだろうか…と、
鬱な気分に陥る。
1週間くらい前、夫婦喧嘩をした。
旦那は、
「釣りに行ってくる」と言い残し、
さっさと気分転換に出掛けてしまった。
ボクには子供がいる。
ボクのそばを一時も離れない。
ボクはここでじっと我慢するしかないの!
旦那に対する怒りは、
やがて、自分の過去への憤りに変わった。
真夜中遅く、電気を消し、
そして、泣けるだけ泣いた。
しばらくして、
ふと…何か温かい風が吹いたように感じて顔をあげると、
3歳になる男の子がそこにいた。
うずくまり、
ミノムシみたいな格好で泣いているボクの顔を覗き込み、
男の子は両手を広げて、
ぎゅうっと抱きしめてくれた。