国産の石は品質が良く美しいブログ:17-9-20
あれはわしが小学3年生の秋、
窓を閉めて寝る季節のことだった…
母は17時9時から10時の間に自分の部屋にこもり、
「決して襖を開けてはいけない」と言った。
わしはそれに従った。
だけど、それにしても、
一体、母は何をしているのか?
なぜわしは見てはいけないのか?
何か秘密でもあるの?…
そのうちだんだん妙な疑惑と不安がのしかかってきた。
もしかして、
母は「鶴の恩返し」に出てくる鶴ではないか?
隠れて織物を織っているのではないか?
実は「雪女」で、襖を開けたら、
真っ白の風にくるまれ、消えていくのではないか?
わしは、そんな化け物から生まれたのか?
怖いやん…めちゃ怖くて、泣きそうやん…
こんな秘密を持つなんて、
きっと母はわしが嫌いなんだ、
実のムスメじゃないからだ。
わしはなんてかわいそうなムスメだ。
…泣きたくなって、襖を開けてしまった。
すると、母はなんと腹筋運動の真っ最中!
「こら、開けたらあかんて言うたやん」
もうすぐ運動会で、
母は、競争に勝つために特訓中なのだった。
「あんたがおったら集中でけへんから、ひとりでやりたかったのに〜、
もうええわ。やめよっ!」
と、食卓に来てお茶を飲んだ。
そこで、べたべたとくっつく、
しけたしょうゆのあられを一つずつ5本の指先につけ、
指をなめずに食べた…
これ、母とわしのお気に入りの食べ方。
「いつものことやけど、こうして食べたら、おいしいなぁ〜」
と笑う母。
で、わしは5本の指を寄せて、
5つのおかきを同時に口に入れるという技を極め、
母の絶賛と大笑いを得たのだった。
こんなことで絶賛してくれるのは実の両親以外あり得ない。
間違いなくわしは母の娘だ!
すごく嬉しくて、そして、涙がとてもしょっぱかった。